こんにちは、保育のおうち施設長の岡本です。
私たちが子どもだったころ、
「集団生活」といえば“みんなと同じことをすること”が当たり前でした。
運動会では列をそろえ、歌は同じ声で歌う。
給食では「みんなで一緒にいただきます」。
そんな毎日の中で、
「みんなと同じようにできること」が“よいこと”とされていた時代です。
けれど今の子どもたちが生きる時代は、少し違います。
一人ひとりがそれぞれの思いを持ち、
「みんな違っていい」「あなたらしさを大切にしよう」
という考え方が、少しずつ広がってきました。
社会が多様になり、生き方の選択肢も増えました。
だからこそ、子どもたちには“自分を表現する力”や“相手と違いを調整する力”が求められるようになっています。
これが、今の教育や保育が大切にしている「新しい集団生活」のかたちです。
とはいえ、私たち大人は昭和や平成の中で育ってきました。
「みんなと同じようにできることが安心」
「先生に迷惑をかけないように」
そんな思いが自然と身についているものです。
その感覚のまま現代の子育てや教育を見ると、
「これでいいのかな?」
「昔と違いすぎて戸惑う」
と感じることもあるでしょう。
でも、それは悪いことではありません。
むしろ、その感覚があるからこそ、
お子さんの“今の育ち”をより深く理解できるのです。
幼児期は、まわりの影響を受けすぎず、
“自分の気持ち”を素直に表せる貴重な時期です。
「いや」「すき」「もっとやりたい」
そんな小さな自己主張こそが、
「自分ってこうなんだ」という心の土台をつくっていきます。
ひよこクラスでは、この大切な時期に、少人数の中での集団生活を経験します。
家庭的な環境の中で、保育士との関わりを通して、
「自分の思いを出してもいいんだ」
「みんなと一緒にいるって楽しいな」
という感覚を育てます。
ときには、思い通りにいかないこともあります。
でもその中で、子どもたちは
“自分の思いを伝える力”や“相手の気持ちを受けとめる力”を少しずつ身につけていきます。
集団生活とは、決して“みんなと同じになること”ではありません。
それぞれが違っていても、
お互いを認め合いながら共に過ごすこと。
そして、
「あなたはあなたのままでいい」
と感じられる経験を積み重ねること。
保育のおうちのひよこクラスは、幼児園での集団生活への第一歩です。
安心できる環境で、保育士と関わりながら、自分らしさを育てる。
そんな経験が、のちの幼児園生活や学校生活で、
「自分を大切にしつつ、相手も思いやれる力」へとつながっていきます。
私たちはこれからも、
一人ひとりの個性をていねいに見つめ、
安心できる環境の中で「その子らしさ」を伸ばしていけるよう、
心を込めて保育にあたってまいります。















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